皆さんの職場でも、新しく後輩や新人を迎える機会は多いでしょう。
今までは一番下で、上司や先輩の指示通りに仕事をしていればよかったかもしれませんが今度は皆さんが後輩や新人に指示をする番です。
そうなると少し思い出してみてください。
今まで、中には「これってハラスメントじゃない?」と思われるようなことを上司や先輩から言われた経験はありませんか?
ということはあなた自身も今度は後輩から「ハラスメントじゃない?」と逆に思われることもある、ということです。
今回はそんな風に後輩や新入社員から言われないように普段から意識して心がけておくべきことを考えていきましょう。
※本記事はハラスメントの詳細な解説や事例を扱うものではありません。
ハラスメントの定義については、厚生労働省のHPをご参照ください。
目次
ハラスメントは「受け手」の感じ方がすべて

現在、職場のハラスメントとして代表的なものにパワハラ・セクハラなどがありますね。
皆さんの職場でも当然聞いたことがあるでしょうし研修などで勉強する機会もあるかと思います。
最近では、それに加えてアルハラ(アルコールハラスメント)やスメハラ(タバコの受動喫煙のハラスメント)といった言葉も出てきました。
そして「ハラスメント」はいくら上司が否定しても「受け手側」が主体になるという点が非常に重要です。
自分がどんなに「ハラスメントのつもりではない!」と主張したところで
受け手側がハラスメントを訴えることが多いのです。
そのため、最近は上司がハラスメントを恐れて何も言えなくなったりそれを逆手に取った部下が愉快犯のようにハラスメントを悪用するという
「逆ハラスメント」が起こっている状況も見られます。
ただ中には、ハラスメントをよく理解せずに過剰に反応し、何でもハラスメントと訴える部下もいます。
「もう何も言えねー!」と上司も嘆いていませんか?
毎日会社を遅刻してくる部下に対し、遅刻について厳しく注意しても「ハラスメント!」と過剰に反応されてしまう始末。
「あーもうなんもいえねえ…」とやけになる気持ちもわかります。
しかし普段から以下のことを意識していれば、そう揉めることはないでしょう。
今回は先輩社員向けとしていますが、部下がいる上司にも当てはまる内容です。
「それハラスメントですよ!」と言われないための3つの意識
先ほども言いましたがハラスメントは受け手側の気持ちが大きく左右されます。
なので、言われてから「え?俺のどこがハラスメントなの??」とびっくりされる上司や先輩もいるでしょう。
「俺、いつハラスメントっぽいこと言った?何?クソ!俺を陥れるためにあの野郎…ふざけんな!!」
こんなことにならないように普段から以下のことを意識しておきましょう。
1. 注意に「感情」をぶつけていませんか?
後輩がミスした時にイライラするのは理解できます。
ただ、その時に感情をむき出しにして後輩に注意しないように気を付けましょう。
例えば、後輩が提出期限を守れなかったときにどう注意しますか?
1.「期限を守れるように次回からちゃんと計画を立てるように!頼むよ!」
2.「期限を守れるように次回からちゃんとしてくれよ!なんでこんな簡単なことができないかな…もう!」
2は、感情的になりやすい人に良くある注意の仕方です。
完全に自分の感情を後輩にぶつけてしまっています。
「簡単なことかどうかは先輩の主観でしかなく、論理をぶつけてしまっています。」
この後、できなかった仕事をフォローしているならまだいいのですが言いっぱなしだと後輩は感情をぶつけられたストレスが残ります。
比較的に相手を追い詰めてしまうタイプ、マウントしがちな人はこのような傾向がありますので注意しましょう。
2. 常にイライラしていませんか?
先ほどの感情に出しやすい人もそうですが、常にイライラしているな~という自覚がある人も注意が必要です。
なぜかというと、イライラしていると人と話すときも無意識のうちにイライラが出てしまうからです。
厄介なのは、いくらイライラしていても、ほかの人と話すときは普通にしている「つもり」になってしまっているところです。
よく自分は普通にしているつもりなのに、周りに「機嫌悪そう…」と言われることはありませんか?
そんな方は、知らず知らずのうちに眉間にしわが寄っていて、イラついた顔になっている(見えている)はずです。
受け取る側が「機嫌が悪そうだ…嫌だな」と思って話すので、後輩があなたへ嫌だなと思うハードルが下がります。
なので、ちょっとしたことでも嫌味や説教と誤解されてしまうことが起こりがちです。普段からへらへらしている必要はありませんが、普段からイライラが顔に出てしまうようなタイプや、イライラしているなと自覚している場合は、後輩との会話には「意識して笑顔を作るようにする」くらいでちょうど良くなります。
3. その人の「人格」を否定していませんか?
「いやいや別にイライラもしていないし感情もぶつけないし追い込まないし…優しく注意したつもりなのに…どうして??」
例えば、こんな言い方です。
1.「ちゃんと確認しろと言ったのに確認しないからミスをするんだぞ、しっかりしなさい!」
2.「ちゃんと確認しろと言ったのにお前がグズだからミスをするんだぞ、しっかりしなさい!」
パッと見て同じ注意をしているようですが、1と2の注意には決定的な差があります。
それは、2はその後輩に対して「グズ」と決めつけています。
つまりその人本人を攻撃しています。
1は確認しないからミスをしたんだという「行為」に対しての注意ですが、2は完全に個人攻撃です。
仕事が早くてもミスをする人もたくさんいるのですから普段から個人攻撃にならないようにフラットな視点を持ちましょう。
補足:個人的に後輩が嫌だなと思っていないか?
あなたも人間である以上、誰にでも好き嫌いはあります。
悲しいかな、会社というものは原則その人の好き嫌いを人事に反映させてくれはしません。
つまり、嫌いな人でも一緒に仕事をしていかざるを得ない部分があるわけです。
「あばたもえくぼ」という言葉があるのは知っているかと思いますが、人間は好きな相手には寛容になり嫌いな相手には厳しくなる傾向があります。
これは無意識のうちに出てしまうものです。
もし特定の後輩に対して「嫌だな」という感情があるなら、その感情が言動に出ていないか、より一層注意を払う必要があります。
意識的に公平な態度を心がけ個人的な感情と仕事上の評価を切り離す努力をしましょう。
まとめ:ハラスメントを避け、良好な人間関係を築くために
•ハラスメントは「受け手」の感じ方がすべて。自分の意図と異なる場合でも、相手がどう受け取るかが重要。
•注意する際は、感情的にならず、冷静に「行為」に対して指摘する。人格否定は絶対に避ける。
•普段からイライラを顔に出さないよう意識し、後輩との会話では笑顔を心がける。
•個人的な好き嫌いを仕事に持ち込まず、公平な態度で接する。
これらのポイントを意識することで、後輩や新人との良好な関係を築き、ハラスメントのリスクを減らすことができます。
お互いが気持ちよく働ける職場環境を作るために、今日から実践してみましょう。
  
  
 

