入社4年目の法人営業部の佐藤商事鈴木さん
今日は顧客訪問の日でした。
どうやら終わったようですが元気が無さそうです。
顧客先の建物から出てきた佐藤さんはガックリと肩を落として帰社の為駅へ向かいます。
本人曰く全く手ごたえが無かったようです。
「あーあ全然外れな事を言ってお客様と会話が弾まずに終わってしまった…」
頭の中をぐるぐるとさっきの商談の気まずい光景が回っています。
「今日お客様なんか反応甘かったなあ…」
「多分自分の言ってる事が何も伝わらなかったんだろうな…」
そして佐藤さんはいつもこの言葉を決め台詞のようにつぶやきます。
「あーなんか向いてないわこの仕事」
そんな佐藤さんですが、実は営業の仕事に関して1つ大きな誤解をしていることによって成果がでないのです。
営業ってトークがうまくないと出来ない
営業は押しが強く図々しくないと出来ない
=俺・私には向かないと思い込んでいませんか?
このように商談で会話が続かないと落ち込んでいる人が陥りがちな誤解があります。
それは「自分が話さなければならない」と思っている事です。
話そうとしなければ元々コミュニケ―ションが成立しないだろ!!お怒りはごもっともです。
ただ自分が自分の事ばかりを話していると特に営業の仕事についてはお客様の情報を共感することは出来ません。
コツは「会話」すなわち双方向のコミュニケーションが出来る人が優秀な営業マンと言えます。
今回は商談の双方向の「会話」を通してお客様と話を続けるコツについて考えていきます。
今回は会話のキャッチボールが続かない人にありがちな失敗と対策について考えていきましょう
ここの佐藤商事鈴木さんの商談のありがちな失敗の例をロールプレイング形式で紹介していきます。
こんな商談してませんか?
明日は新規のお客様との商談の日
佐藤商事の営業部鈴木さんは最近下位に沈んでいる営業成績を挽回する絶好のチャンスに恵まれました。
新商品のコピー機を検討しているので是非来てほしいとのこと
いきなり決められないとしてもお客様の好感触をぜひとも得たいところ
上司からもいい感触をつかんで来い!とハッパをかけられました。
えーと…明日の商談に必要な商品知識の勉強もばっちり!話の流れも大体段取り付けた…
あーでも不安だな、お客様との会話が途切れたらどうしよう…
もしもの為にもう少し補足資料を用意しておこう
不安になればなるほど手持ちの資料が増えていきます。
よし!これだけ用意しておけば安心だ!絶対決めてやる
当日お客様に訪問した鈴木さんは深呼吸してお客様との商談に臨みます。
お客様と2人で対面で座り名刺交換をしてお互い対面で腰掛けました。
名刺交換をして天気の話などをして一通りの挨拶が終わりました。
さあどうする…どうしようと頭の中が真っ白になってきました
沈黙が続きます…何か言わないとまずい!
(早くシナリオ通りに進めないと!早く商品説明に移らなければ…)
よし!鈴木さんは用意してきた商品説明の資料を出しおもむろに説明を始めました。

資料をご覧ください、この商品は毎秒~で印刷が可能でしてしかも
メンテナンスも非常に楽な機種になっております…
そしてこの資料もご覧ください。印刷にはエコな~トナーを使用して…

(結局何が出来るのかしら…)
お客様も鈴木さんのマシンガントークに圧倒され何を質問したらいいのかもわかりません。
だがしかし鈴木さんはお客様の沈黙に更に焦ってしまいます。

この資料はこのコピー機をさらに詳細に説明したものです。

で結局何ができるんですかね?
えっ?これだけ説明したのに…鈴木さんは混乱してきました。
お客様にわかっていただくどころか何が出来るかすら理解してもらえなかった焦りです。
(ここまで説明しているのにわからない人だな… そうだ!こんなときの為に資料もう1つ持ってきたんだ)


また検討して連絡します
鈴木さんはお客さんの反応が甘く営業に向いていないのかな…と多少落ち込んだものの
言いたいことはすべて言えた(商品の魅力は伝えられた)と思っていました。
帰社するとすぐに上司が鈴木さんの所へやってきました。

今日のお客様は何が理由でうちの商品を検討してくれたんだ?

いや、なんかうちの機種のスピードが気に入ったんじゃないですかね??

お客様の課題も聞いてないのか?
彼はようやくそこで自分の話したい事だけ話してお客様の事を何も知りえなかったのです。
つまり鈴木さんは自分の言いたい事だけを話しお客様の情報を何一つ聞いてない事に気づきました。
商談としては完全に失敗です。
会話のキャッチボールどころではありません。
あなたの職場や部署の雰囲気はどうですか?なんかピリピリして不機嫌でいるのもしんどいなって思う時ありませんか?そんな場を明るくしてくれるムードメーカーみたいな人がいたらな…このご時世業務効率化や在宅勤務者の増加で職場出[…]
スムーズな会話のキャッチボールをするには?
鈴木さんのような失敗をする若手営業マンは以外と多いです。
今の鈴木さんがなぜ商談に失敗してしまったのかを考えてみましょう。
話のキャッチボールを続けなければという恐怖から
鈴木さんはお客様と話のキャッチボールを続けないといけないという恐怖から1人でしゃべってしまいました。
沈黙が続いてしまったらお客様が商談を終わらせてしまうと思ったことにありました。
結果お客様は次から次へと聞かされる商品情報についていけずとうとう聞く気を無くしてしまいました。
お客様の話を聞こうとしてない
本来はまずお客様がその商品に興味を持った理由を聞くべきでした。
そうしなければお客様がどの情報を欲しいのかを絞れません。
ただ佐藤君はお客様の欲しい情報を取らずお客様にこの時点は関係ない情報までしゃべってしまいました。
結果お客さんの欲しい情報を得る事ができませんでした。
商談ではお客様にどんな課題があるのかを詳細に深堀りし整理する事から始めます。
まずは自分が話すよりお客様の情報を最優先で聞き出すことが先決です。
お客様の話を聞きそのご要望に適した商品説明をするのです。
沈黙=悪だと思っている
コミュニケーションが苦手な人が恐れる恐怖の1つが会話が無くて「沈黙」が続いてしまうことです。
ただなぜ沈黙が続いてしまうかというと相手の話をよく聞いてないからです。
何か話さなければいけないという気持ちが先行して相手の話を聞くことに集中できてしません。
そして沈黙というのは会話の中ではある程度必要なものです。
沈黙というより相手の話を咀嚼(そしゃく…かみくだくこと)している時間なのです。
そもそも会話の中で沈黙が怖いと思う事を辞めた方がいいかもしれません。
真面目過ぎ
会社で「真面目」というのは100%褒め言葉ではないというのはなんとなくわかりませんか?
上司から「お前は真面目なんだよ」とか同僚が「あの人真面目だから…」などの言葉はどうでしょう。
どちらかというと融通が利かないとか頑固などの柔軟性が無い人に思われがちです。
その結果持参した資料はすべて使わなければいけないという謎の使命感にかられてしまいました。
真面目に資料を読んでいく事が逆に仇になりました。
商談はお客様との会話である
まず商談は商いの為の談話ですので会話をしなければならないのです
どうも商談となると「売らなければいけない」という気持ちが先行してしまいます。
売るためにはまずは商品を知ってもらう事が大事というのは間違えはありません。
ただ、商品を知ってもらう前にお客様が商品の何を欲しいのかを聞くことが大事です。
商談=お客様の悩みを聞く
これを肝に銘じましょう。
焦って売りたい気持ちはわかりますがまずはお客様と会話してお客様が何に困っているのか?
なぜ商品に興味を持ったのか?を聞く事が大事です。
デキる営業マンはトーク力ではなくヒアリング力が圧倒的に高いのです。
ダメな営業マンほど売ろう売ろうと前のめりになり失敗します。
最初の商談ではまだお客様自身は話を聞きたいと思う段階です。
例えば洋服を買いに行って自分がお店に入った瞬間に店員に捕まって買うまで離さないよって感じで来たら嫌になりますよね?
店員さんが話だけでも聞いてってくださいとガードを下げてくれて話を色々聞いてもらっているうち買う気が無くても買おうかなと思う事はありませんか?
まずはお客様の話を聞きに行きましょう。
商談でお客様とスムーズなキャッチボールが出来る為のコツ
商談では以下の事を意識しながら進めていくとスムーズかもしれません。
→当日余計な事を話す必要が無くなる
・資料はお客様の要件に合わせて最小限に
→カバンが軽くなる
・商談ではまず相手の要件を聞くことから
→お客様が話したことで満足する(要点に合わせた説明が出来る)
・話に詰まると思ったら相手の話を深堀するか不明点を聞き返す
→わからなかったら〇〇についてもう少し詳細を~で話が続く
・お客様に話してもらう事を意識し常に自分が話過ぎてないか意識する
→緊張すると自信がなくなり口数が多くなる
・売ってやるという前のめり感は出さない
→お客様が売り込みをされすぎると警戒する
・今日は別に話だけでもと逆にガードを下げるのも可
→警戒するお客様には有効
・すぐ回答できそうな事でも悩んで返事をするのも効果
→お客様に対して真摯に接している感を出す
これは商談だけではなく対人関係全般にも使えます。
聞くことは相手の言う事に興味を持つという事です。
まずは「会話をする」事に集中しましょう。
あなたの職場や部署の雰囲気はどうですか?なんかピリピリして不機嫌でいるのもしんどいなって思う時ありませんか?そんな場を明るくしてくれるムードメーカーみたいな人がいたらな…このご時世業務効率化や在宅勤務者の増加で職場出[…]