皆さんの会社にコンサルの人はいますか?
コンサルティングをする人はその道のプロではありますが、自分の会社でもないのになぜ的確な
アドバイスが出来るのか不思議に思った事はありませんか?
当然経営的な専門知識を学んでいますが、基本的な分析方法があるのです。
基本的な分析方法とは?

現在の状況を分析して様々な仮説を立てて問題解決の手口をたどっていきます。
問題を解決する際にこうではないのか?こうすればどうなるのか?と予想を立てて行動することです。
では一つの例を出してみましょう。
お弁当屋さんにあなたは勤めています。昔は月100万円の売上があり近所でも評判のおいしいと評判でした。
しかし最近は売上がなぜか振るわず多い月でも80万の売上です。主なお客様は近くの学校の生徒さん、近所の会社の従業員の方などです。メニューは主に中華をメインとしたボリュームの多い弁当が売りの1つです。
あなたは社長より売上回復プロジェクトを任されました、さああなたならどうやって売上を立て直しますか?

おそらくここで一番にやってしまいそうなのが「値引き」する「割引券」を配るなどの策です。
これはこれで確かに一つの方法かもしれませんが、ちゃんと現状分析を行わずにいきあたりばったりで値引きするのは得策ではありません。値引きは短期的には効果を発揮すると考えられますが、確実に利益を削っていきお店の体力を奪っていきます。

値引きの前にちょっと考えてみましょう。
ここで必要になってくるのが仮説力です。まずは現状分析から始めてみましょう。
大きな要因としては売上が下がっているということですね
売上=客数×客単価
売上はこの2つの要素で構成されています。という事はどちらかが下がったという事です。

1人当たりの売上は変らないや。
であれば客数ですね?なぜ客数が下がったのでしょうか?
仮説を立ててみましょう
・近くに競合のお店ができたのではないか?
⇒もしかしてうちの周りにお弁当を始めたお店があるのかも
・メニューが受け入れられてないのかも?
⇒ボリュームのあるお弁当が最近のダイエット志向のお客様に避けられているかも
・在宅勤務の普及でオフィスや学校に来る人が減っているのかも?
⇒働き方改革や、感染症対策などで減っているのかもしれません。
今3つだけ上げましたもっと調べれば出てくるはずです。仮説が多ければ多いほど細かく検証し対策が立てられますね。
近くに競合のお店ができたのではないか?
競合店を調査してみましょう。地図を用意し、自分の店と主なお客様の位置など簡単にプロットし商圏地図を作ってみましょう。競合のお店の価格帯やメニューを調べるなどの調査をして打つ手を考えましょう。当店より他店の強み・弱みを分析してみましょう。
メニューが受け入れられてないのかも?
最近のダイエット志向や健康ブームなどで、当店のボリューム弁当が受け入れられてないのではないでしょうか?もしくはお客様の男女比で女性が減ってきているなど、肌感でいいので調べてみましょう。
お客様をしたり、ここでも他店のメニューの中でヘルシー志向のある商品があるかもしれません。メニューの再考を考えてみましょう。
在宅勤務の普及でオフィスや学校に来る人が減っているのかも?
昨今のリモートワークの普及によって、オフィスに出勤する人が減っています。オフィス需要も減っているのかもしれません。また、ネットで頼めるデリバリーなどが受け入れられているかもしれません。
現状を仮設検証分析し、対策を立てましょう
これでおおよその簡単な仮説は立てられました。
ここまで来て仮説の裏付けと対策立案に入っていきます。
商品の分析・値段・立地・広告などはどうか?ターゲットや競合から見た当店の位置色々分析して対策を立てていきましょう。
売れる仕組みを構築することを「マーケティング」と言います。マーケティングの分析方法にも色々な形がありますので、書籍やネットなどで勉強してみるといいでしょう。
どんな対策を立てたのでしょうか?

さっそくA君は仮説に基づいて調査をしてみました。まずは店舗の周りの商圏調査をしてみます。

近所の評判のレストランが弁当販売を始めている。このレストランの味がお弁当で味わえるならいいよね。少し値段は高いな。
ネットで頼めるデリバリーサービスが増えてるな。今まで当店を知らなかったお客様にも当店のボリューム感のあるお弁当は受けるかもしれない。
こうやって以下の対策を立てました。
こうやって以下の対策を立てました。
・女性のお客様が減っていることから、競合に対抗するヘルシーメニューを競合店より安価で開発販売してみよう。
・産直の新鮮素材を使った少し高級感のある弁当を作って目玉として打ち出し、高級志向のお客様に合わせて提案してみよう。
・ネットのデリバリーサービスの店舗として加盟して新たな顧客を作り出そう。またネット販売も充実させよう。
まとめ
もし、この様に仮説を立てずに進めてしまっていたら一体どうなっていたでしょうか?
最初にA君は値引きという話をしていましたが、検証した結果値段は問題ではないという仮説が経ちました。もしここで行き当たりばったりで価格を下げていたとしたら、短期的に売上は上がるかもしれませんが、売上をただ減らすだけで終わってしまいます。
私自身もお弁当屋さんの経験は全くありませんが、仮説が立てられれば、この位の対策は立てられます
優秀なコンサルティングをする人はこの仮説を立て本質的な問題を分析していきます。
問題解決には行き当たりばったりは避け、あらゆる仮説を検証してみましょう。
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